日本三大桜のうち、三春滝桜(みはるたきざくら)と
近くの城を別記事で紹介しましたので、
今回は山高神代桜(やまたかじんだいざくら)を紹介します。
こちらもまた、古くから大切にされてきた古木の桜です。
山高神代桜(やまたかじんだいざくら)
場所:山梨県北杜市武川町山高2763
山形県甲府市の北西方面、
長野県との県境近くに、北杜市はあります。
周りを田畑に囲まれた、
「実相寺」というお寺の境内に、
山高神代桜(やまたかじんだいざくら)が
悠然と立っています。
樹齢が2,000年以上ともいわれている
”エドヒガンザクラ”の古木です。
大きな幹は柵の外からでもわかるほど空洞化が進んでいて、
今でも花をつける大きな枝は、支柱で支えられ、
永い年月を感じさせてくれます。
「神代」の名の由来は、
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が
この桜を植えたという、いい伝えから付いたそうです。
あの姿を見ると、
そんないい伝えがあるのも
”なるほど”とうなづけます。
境内にはすぐ近くに
”神代桜の子孫の木”もあり、
こちらもまた枝振りが立派です。
三春桜と同様に、
グーグルマップのストリートビューから、
満開の様子を見ることができます。
便利な世の中になったものですね。
もちろん、実物を見るのが一番良いと思いますよ。
神代桜は別名「妙法桜」とも呼ばれています。
その由来は、日蓮宗の祖である日蓮聖人が、
神代桜の衰えをみて、お経を唱えたところ、
回復したといういい伝えがあるからだそうです。
神代桜からほど近い、谷戸城跡
神代桜から北に約13km離れた場所に、
谷戸城(やとじょう)跡があります。
車だと、渋滞なしで約30分で着くそうです。
谷戸城は、山の地形を生かして、
同心円状に土塁や空堀が配置された、古い山城になります。
1180年には存在していたとされる城で、
室町時代後期に、徳川氏と後北条氏が争った際には、
後北条氏がこの城に布陣した記録があるそうです。
その後は大きな戦乱も収まってくるので
使われることもなく、江戸時代にはすでに
城跡として認識されていました。
古い城なので、近代城郭のような石垣や、
天守といった設備はありませんが、
堀や土塁が残っているので、
まさに土から成る城を実感できるかもしれません。
今は公園として整備され、
近くに駐車場もあるので、訪れやすい城跡です。
桜も、ソメイヨシノや八重桜が400本も
植えられているとのことで、
開花すればたくさんの花見客が訪れることでしょう。
城跡に隣接する場所に考古資料館があって、
谷戸城から出土した遺物などが展示されています。
ぜひ寄ってみたい場所ですね。
谷戸城跡(Google map)
まとめ
山高神代桜(やまたかじんだいざくら)は
エドヒガンザクラの古木で、
日本武尊が植えたという伝承がのこるほど、
樹齢を重ねた桜です。
空洞化した幹や支えられた枝を”痛々しい”ととるか、
”すごい生命力”ととるか、人それぞれあると思いますが、
開花まもなく散る花びらとは相反する力強さを感じます。
神代桜には及ばないものの、
およそ1000年前に存在した谷戸城もまた、
現在に調査がすすみ、その姿を見ることができます。
近代城郭ほどの遺構はないものの、
実用的な城の姿をみることができるかもしれません。
谷戸城もまた、たくさんの桜が植えられていて、
神代桜の後に訪れてみたいものです。