小田原城に籠城した北条氏の明暗とは?(後)

攻防図
永禄4年(1561年)に上杉謙信(うえすぎけんしん)
率いる大軍の包囲を跳ね返した”小田原城”。

その経験もあり、北条氏は城の拡張をさらに進めます。

しかし、その城への過信が、
滅亡へと向かうことになるのです。

北条氏が破れた戦いとは、
どんなものだったのでしょうか?

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周到な用意の小田原征伐

小田原征伐は、北条氏が惣無事令(そうぶじれい)
破ったという理由で開始されました。

天正18年(1590年)のことです。

惣無事令というのは、大名同士の争い事を、
武力を使って、私的に解決することを禁止した
法律のことです。

北条氏の配下の武将が、信濃の真田氏と揉め、
名胡桃城(なぐるみじょう)を攻めたのです。

こうして、豊臣秀吉(とよとみひでよし)率いる大軍が、
北条氏の小田原城に迫ります。

北条氏は籠城を決め、さっそく領地内の兵を集めます。
また兵糧も備蓄し、主要な城に兵を送ります。

籠城戦に欠かせない”援軍”の要請は、
東北の盟友、伊達政宗(だてまさむね)に送ります。

それに対して、豊臣秀吉も周到な用意をしました。

配下の大名に兵糧を提供させ、大軍の運営に必要な
食糧を確保、万が一に備えて京都に守備を置きます。

また、軍を二手に分け、進軍しました。

秀吉率いる約20万の本陣は「東海道」を東進し、
前田利家らが指揮する4万弱の遊軍「北国軍」を
本州の中央付近を抜けていく「東山道」を進みます。

さらに、北条氏が援軍を要請した伊達政宗に対しても、
豊臣側に味方するよう、使者を出しています。

豊臣軍は、箱根を盾とするように構築された
支城群(山中・韮山・足柄)に到達すると、
韮山城以外を数日で落城させ、小田原城に迫ります。

東山道を進んだ北国軍は、碓氷峠を
上野国(群馬県)の松井田城を激戦の末に落とし、
八王子城や岩槻城、鉢形城といった、
北条氏の支城ネットワークを着実に攻略していきます。

秀吉は、城攻めの名人としても知られていますが、
それだけに、小田原城攻めになにが必要なのか、
よくわかっていたのでしょう。

石垣山に城を築き、大勢の兵を連れていたにも関わらず、
長期戦の構えをみせたのです。

城に頼った北条氏の戦い

北条氏は小田原城にこもり、それほど抵抗らしい
戦闘を仕掛けてはいませんでした。

豊臣氏は、本陣の兵が20万、
北条氏は5万程度だったといわれています。

北条側の兵は、小田原城に大半を割いていたため、
支城のほとんどは大きな抵抗もできず
落城していきます。

北条氏から援軍を頼まれていた伊達政宗は、
豊臣方の戦略をみて、勝ち目なしと感じたのか、
豊臣秀吉に恭順(きょうじゅん)の意を表し
北条氏の望みは打ち破られました。

こうなると、城に籠っていてもジリ貧になるばかりです。

本来なら、援軍があっての籠城戦です。

それが望めないとなれば、寄せ手に奇襲を仕掛け、
士気を落としつつ、本陣に突撃して、
大きなダメージを負わせるしかありません。

しかし、”小田原城は何度も籠城で凌いできた
という過信から、積極的に打って出ることは
ありませんでした。

結局のところ、「忍城」以外の支城が落ち、
小田原城内部にも不和が起き始めていたところで、
北条氏は開城を決意し、小田原征伐は終了
北条氏は滅亡しました。

援軍はなく、打って出る事もなければ、
いくら勇猛な武将を配下として持っていたとしても、
勝てるものではありません。

戦う前から北条氏の負けは
見えていたのかもしれませんね。

まとめ

上杉謙信率いる大軍を相手に、見事撤退させた籠城戦と、
豊臣秀吉に率いる攻城戦で、開城することになった
籠城戦

戦いの明暗を分けたのは、兵力だけではありません

小田原城への攻撃は、その後ろに控える
支城ネットワークを視野に入れた、
大攻城戦ともいえる戦いでした。

秀吉はそれを意識していたのでしょう。

早い段階から北条氏への援軍を絶ち
石垣山に城を築くことで、
長期戦になっても士気が落ちないように、
万全の態勢を敷きました。

小田原城は堅城であったにもかかわらず、
2ヶ月ほどで開城しました。

攻城戦が得意な秀吉だったからこそ、
小田原征伐は短い期間で終わらることができた、
といえるでしょう。

余談ですが、小田原征伐に関連して
小田原評定(おだわらひょうじょう)
という言葉が生まれました。

意味は、
いつになっても結論の出ない会議や相談
の事を指します。

ですが、「小田原評定」は本来、
家臣団と北条氏による合議制で
物事を決めていたことによります。

広大な領土経営を、家臣との強い信頼関係のなか
行っていたことが伺われますね。

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