復元がつづく国宝松江城とは?

松江城天守

平成27年に国宝指定された”松江城”。

豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)古参の武将、
堀尾吉晴(ほりお よしはる)が築いた名城で、
小規模ながら、戦国の趣を残した城です。

どんな姿をした城だったのでしょうか?

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付櫓と千鳥破風が目を引く天守

松江城は宍道湖(しんじこ)の東端、
北岸に面した”亀田山”に築かれた平山城です。

国宝の天守がある本丸を中心に、
東西南北にそれぞれ曲輪を設け、水堀で囲みました。

具体的には、東に二の丸下の段、北に北の丸、
西に後曲輪、南に二の丸上の段があり、
輪郭連郭式の縄張りを持ちます。

そうした曲輪に入り込むように中曲輪、
外曲輪といった帯状の曲輪も存在します。

江戸時代に入り、水堀を隔てた南側に三の丸を築造し、
全体が出来上がりました。

近世城郭の規模としては小さめですが、
戦国期を戦い抜いた武将、堀尾吉晴が築城したとあって、
実戦を意識した造りになっています。

天守は四層五階、地下に1階を持ち、
入り口に付櫓が付属します。

付櫓は、寄せ手が入り口から容易に入れないように
設けたもので、実戦的な設備です。

もちろん、天守にも石落としや狭間が設けられ、
取りついた寄せ手に一撃を浴びせられるように
なっています。

天守には望楼があり、また、大入母屋や、
各所に設けられた千鳥破風が
目を引く意匠
となっています。

そのため、別名を”千鳥城”ともいいます。

逓減率は低く、後期望楼型天守に分類されます。

現存施設としては、国宝に指定されている天守のみで、
他の建物は、明治の廃城令に伴い払い下げられました。

天守は地元のかたが買戻し、
奇跡的に現存することになったのです。

松江市では自治体あげて復元に取り組んでいて、
古写真や古図面の収集を行っています。

その甲斐あって、二の丸上の段の石垣上に
櫓と塀が復元され、実戦的な城の一面を
見ることができます。


松江城

松江に入った城主たち

松江城を築城した堀尾吉晴(ほりお よしはる)は、
豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎(きのした とうきちろう)
と名乗っていた頃から仕えていました。

戦場でも数々の武勲をあげ、それだけに信頼も厚く、
秀吉存命中は、江戸に移った徳川家康を抑えるために、
遠江の浜松城に入ったこともありました。

しかし、秀吉亡きあと、家康との距離が近くなり、
石田三成と家康との間を取り持つこともありました。

そうした縁から、家康に接近し、関ヶ原の戦いでは、
子の忠氏(ただうじ)と共に
徳川方につくことになります。

吉晴自身はこのころ高齢でもあり、
関ヶ原には出陣していませんが、
忠氏(ただうじ)が武勲をあげ、
その功績によって、出雲の地に移ります。

堀尾忠氏・吉晴親子は出雲にはいりますが、
忠氏は若くして亡くなります。

忠氏の子・忠晴(ただはる)はまだ幼少のため、
隠居していた吉晴が後見人として、
実質的な城主となりました。

そのころは月山富田城(がっさんとだじょう)
本拠にしていましたが、戦が減って不便さが目立ち、
亀田山を利用した”松江城”の築城に着手します。

吉晴の築城した松江城は、徳川系に見られる
白漆喰で塗り固められた城ではなく、下見板張りの、
質実的な豊臣系の城でした。

しかし、吉晴は城の完成を見ることなく亡くなります。

成長した忠晴が城主となりますが、
父と同様に若くして亡くなり、堀尾家はわずか
3代で断絶となりました。

その後、京極忠高(きょうごく ただたか)が入り、
現在は庁舎が建つ場所に、三の丸を整備しました。

しかし、忠高もわずか3年で亡くなり、
養子の跡継ぎが認められず、改易となります。

京極氏の後に松江に入ったのは、信州松本から
転封してきた松平直政(なおまさ)です。

直政は、松本城天守に、月見、辰巳付櫓を付け、
現在の姿にした人物です。

松平家は城に大きな手を加えることなく、
幕末まで治世が続きました。

まとめ

松江城は、宍道湖のほとりに造られた、
三大湖城の一つと言われる城です。

下見板張りの黒い天守は、
平成27年に国宝指定されました。

四層五階の後期望楼型で、入り口に付櫓が付属する、
実戦を想定した城です。

姫路城のような城をイメージすると、
規模は小さく感じますが、復元された櫓や塀、
その石垣の下に武者走りを設けた縄張りは、
戦国の風情を残しています。

それもそのはずで、築城したのは、
戦国の世に活躍し、功績を遺した堀尾吉晴です。

豊臣家臣として長年仕えたものの、
秀吉亡きあとは、徳川家康と良好な関係を築き、
関ヶ原では東軍につきました。

その後、徳川家臣となりますが、
築城した松江城は豊臣系の色を残す城でした。

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